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歯列矯正を独学で

ネズミは慌ててケージ内を駆け回りますが、その時特別に作ったレバーに手(前肢)をのせると、電流が止まる仕掛けにしておきます。 このことをネズ君たちに、あらかじめ教えてネズミ実験に用いた鉄製のケージとスイッチ・レバー。
数秒間ブザーをならした後、電流をケージに流す。 このレバーに前肢をかければ、自動的に電流は遮断される仕組みになっている。
固形食(A群)と粉末食(B群)の条件回避学習の成績では、A群のほうが、学習効果が著しく高い。 固形食で育ったAネズ君のなかには要領のいいのがいて、ブザーとともにすぐ前肢をレバーにかけるのもいたかもしれません。
いずれにせよ、レバーの使用回数は断然固形食のグループの方が多かったのでした。 以上の動物実験の結果は、そのまま人間に当てはめるわけにはゆきませんが、良く岨噛しないと物覚えが悪くなることはいえそうです。
やはり軟らかい食事ばかりでは駄目ということです。 できるだけあごの運動をして、若いうちからあごを鍛えておくことが大事です。
ダメになることを昔から、「アゴを出す」といいます。 やはり何か関連があるのでしょうか。
あごも使わなくなるとやはりにダメになるのです。 岨噛と健康の問題は、きわめて新しい重要な研究分野です。
最近、こういう分野を研究する人達が集まって、N学会が発足し活発な研究活動を続けています。 歩くことが健康に良いことは誰でも知っています。

最近われわれは歩くことを怠っています。 私事ですが、私の父は現在九十五歳になります。
さすがにピンピンしているとはいえませんが、一応元気で記憶力もその歳にしては健全のようです。 入れ歯ですが、良く噛んでいます。
昔の人ですから若い頃は、とにかく良く歩いたようです。 明治・大正・昭和と若い時の歩く運動が、何十年後の健康のもとになっているのです。
入れ歯を使っていないのが気がかりですが、あごの運動は、テレビで拝見するかぎり、大変いいようです。 全く呆けた様子はありません。
若い頃の足とあごの運動も、きっと齢をとってからの頭の健康に役立つっているものと思います。 問題は、現代生活のなかで、それなりにしっかりと岨噛運動をすることに気を配ることだと思います。

現代生活のなかで、歩くことと同様に、良い歯並びで良く噛むことによって、より優れた健康を維持するように自覚することは、これからの高齢化社会を迎えるにあたって、大いに意味のある大事なことです。 厚生省から発表された九一年の人口動態統計(概数)調査では、男性の肺ガンの急増を伝えています。
喫煙が肺ガンの原因であることは分かっていながらの結果です。 タバコがガンの原因になることはいまや常識です。
タバコがP団遺伝子にキズをつけるからだという研究も発表されています。 タバコを吸わない女性でも、タバコを吸う夫を持つ場合と、吸わない夫を持つ場合とでは、その奥さんがガンにかかる確率には差があるということも、統計上分かっています。
嫌煙権の人達の主張には根拠があります。 さて、ガンの予防に、いろいろな研究が進んでいますが、良い歯並びで、良く噛むことでガンが防げるということをご存の方は、少ないでしょう。
まず、良く噛むことによって唾液の分泌が促進されます。 唾液の中には例えば抗体・酵素・血液型物質・ホルモン様物質など、いろいろなものが混在しています。
この中で、N教授はペルオキシターゼの生体防御作用や、細胞に変異を起こす作用を抑制する酵素としての作用、に注目したのです。良く噛むことによって唾液がたくさん出て、この酵素のようにガンなどになる原因を抑える力をもった成分が増えると考えたのです。つまり、よく噛むことでガンのような異常の発生も抑えられるはずだ、という研究です。
こうした、全く新しい発想の研究で、歯並びと岨噌の重要さが証明されることは、歯科医療全体にとっても非常に有力な刺激になるのです。 N教室の研究には、大きな期待がかけられています。
唾液の中には唾液アミラーゼというデンプンの消化酵素が含まれ、良く噛めば、それだけ食べ物がよく吸収されます。 親がそういって子供を叱ることは、むしろ医学的に根拠のあることです。
眼がテレビに釘付けになっていると、お母さんのせっかくのおいしい料理も見てはいません。 出された料理を見ることによっておこる食欲がわいてくれないのです。

食欲がわかなければ唾液の分泌が少なくなるのは当たり前。 このような食事を繰り返していれば胃潰傷からやがては胃ガンの恐怖からも逃がれられません。
唾液が少なければ、消化も進まないからです。 だいたい地球の別の場所で、一日に何万人という子供が餓死している現実を思えば、テレビを見ながらのご飯など、バチが当たります。
これは、家庭での躾教育の問題です。 なぜ、彼らが矯正治療を始めるようになったのでしょうか、わたしの推理はこうです。
彼らが歯の矯正治療を始めたのは、勝負に勝つためです。 彼らには、勝つことが全てです。
コーチ陣は、百分の一秒でも早く選手達を走らせることに専念しています。 まさしく0.01秒の勝負の世界です。
勝つためなら、良いと思うことはやらなければ、この世界では勝ち残れないし、なによりも悔いが残ります。 コーチ陣に「優れ者」がいて、スタート時点の瞬発力をどうしたら高めることができるか、ここに問題点を集中し、徹底的に研究を始めたに違いありません。
資料を調べ、栄養はもちろん、あらゆる健康科学と新しい知識をとり入れる努力をしたのでしょう。 私の推理によれば、これだけの選手になると、コーチには専門のオーソドンティスト(歯科矯正専門医)に意見を求めているはずです。

いやすでにコーチ陣の一員かもしれません。 彼は、かつてスポーツ選手を夢見た若手の歯科矯正専門医ではないでしょうか。
どうして若手といえるのか。 彼らをブレース着用のまま走らせた、一見無謀とも思われる矯正治療に対する信条と冒険心がその理由を物語っています。
彼らのような世界的なチャンピオンに、しかもあの年齢になれば多少は煩わしいブレースをすすめるには、それなりの根拠と、何よりも選手たち自身にそうしたいという動機作り、つまりモチベーションをおこさせることが大事です。 歯並びを治せば、イザという時、全身の筋力を総動員して「瞬発力」が高められるはずだという考えは、若い頭脳と冒険心の旺盛な矯正歯科専門医でなければ、多分思いつかないことです。
相撲界の大御所、H前理事長も、「歯を食いしばらなければ力はでない」といわれたと聞いていますが、歯並びとスポーツは、実は深い関係を秘めているのです。 オリンピック・チャンピオンともなれば、百メートルのスタート・ダッシュの瞬発力は、片足で約五百キログラムと推定されます。
これだけの力を発揮するには大変な集中力も求められることでしよう。 彼らが歯列矯正をはじめたのは、そんな理由からかも知れません。
近世に入っても、フランス社交界に娘をデビューさせるため、ひそかに宮廷歯科医の治療を受けさせたといった記録もあるようです。
科学的な近代医療としての歴史は国によって多少違います。

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